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seiseki squareSSRブログ

2018/12/01

アリススプリングスの公設市場にて


 
 
 
 日に何度か車列を連ねて旅人達を乗せたバスが来ると、アリススプリングスの公設市場にある店はにわかに活気付く。

 アポリジニー達が土産物屋を出していて、どういう工程を採るかは詳らかではないが、剥いだ厚い樹木の皮を一枚板に伸ばし、それをキャンバス代わりに彩色した風景画を並べて売っている。

 先程レンタカーから下りてきた娘たちが、その店先で始めた品定め。

 ある娘は、赤い砂漠の夜に黄色い月が上った絵が気に入ったと言う。
 別な娘が、砂漠の夕暮れに西日を背に受け、人の影が長く伸びたの絵の寂寞とした情景が心にしみると言っている。
 また、ある娘は、小さな窓から望むようにも見える星空の絵が、深い海の水面を漂う夜光虫のようだと言う。

                 

 娘たちの誰がご推奨の絵を買ったかまでは見とどけなかったが、いずれにせよ、アポリジニーが気の遠くなるほどの時間を生きてきた赤い大地 ----- それが、娘たちの心に鮮やかに焼き付いたに違いないいち日であった。




【Erlend Øye / Save Some Loving 】


 

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