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seiseki squareSSRブログ

2018/12/04

のようなもの


 
 
 
 日本のものだろうと外来のものだろうと飲食物は、誰がどう食べようと基本的には問題ないが、発祥の地にとってみれば、本家には本家なりの作法があって、「なんだ、その食べ方は」と眉をひそめざるを得ないことがほとんどだろう。

 アメリカでエイズが流行り始めた頃、豆腐の需要が急激に伸びた。エイズ・ウイルスに感染しても、大豆のような植物性たんぱく質を日常的に摂取すると発症しないと言われた頃のことだ ----- 日本人は豆腐・納豆・味噌スープを毎日食べているからエイズにかかりにくいともてはやされたものだ。その頃のアメリカの雑誌の特集記事を見ると、何人かが豆腐を一丁丸ごとスプーンで食べている写真があって、それぞれ好き勝手に適当なソースをかけて食べているのには驚いた。トマト・ケチャップをかけるなど、まだ無難な方だ。

 太巻きの海苔を内側に巻いたキャリフォルニア・ロールを見ると『お寿司のようなもの』としか筆者には思えない。日本のカレーライスも、インド人にしてみれば『カレーのようなもの』なのには違いない。

 本場物と同じに作ろうと言っても、部品からして揃わないものもある。
 大英帝国連邦の中のイングランドで飲まれているミルク・ティーは、日本の都会では『母牛から絞って出し』のフレッシュミルクがないので、そもそも本物は飲めない。日本は、欧州連合と同じく、加熱殺菌をしないと販売できないからだ。しかも、正しい作法で飲まれることは稀だ。

 ストレート・ティーだのレモン・ティーだのは、キャリフォルニア・ロール同様、本場からは大層残念がられるほど本場の伝統から逸脱している。大英帝国連邦の中のイングランド ----- スコットランドやアイルランドの人に気を使ってそう呼んでいたが、長くなるので、許してもらって ----- イギリスではお茶とは、日本で言うところのミルク・ティーのことで、基本それ以外はない。アメリカ本土のアメリカ人で、お抹茶に砂糖を入れて飲んでるのもいるから、あんまり厳しいことを言っても嫌われそうだ。

 東京で言えば街の中心部 ----- まあ、英語で言えばシティやね ----- にあるコーヒー・ショップへ行けば、コーヒー専門店とは言え、ホット・ティーも頼めるので、それを頼んで、フレッシュ・ミルク二個とシュガースティック二本を入れてかき混ぜる。こうすると、イギリスで飲まれている、いわゆるティーにだいぶ近くなる。それだって青瓦台と永田町ほどの距離はある。




【Sheryl Crow / I Want You Back】


 

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