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seiseki squareSSRブログ

2018/04/05

きみは、朝早く出かけていった


 
 
 日記を詳細に書くか、それともあっさりと短く書くか...。

                 

 『バートルビーと仲間たち』の著者は、ついつい長く書きたくなるようなドラマチックな出来事は、一行だけ書くことにしようと誘う。もともとそれくらいの価値しかないものだったんだと考えればいいだけのことだと言う。それにより、悲劇を喜劇に変えることができるかも知れないとも言う。
 著者は仮病を使い、ニューヨークでサリンジャーの取材をしたのがバレて会社をクビになった日の日記にこう記している ----- ロンカッリ枢機卿が、誰ひとり予想しなかった自分の大抜擢を『今日、法王に任命された』とだけ書いたように、あるいは、ルイ十六世がバスティーユを占領された日に『何ごともなし』と書いたように、自分もそんなふうに書こう、と。

                 

 つまり、今朝のぼくの出来事など、『きみは、朝早く出かけていった』とだけ書けばいいのだろう。



【Jess Lewis / Room 335】

 

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