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seiseki squareSSRブログ

2018/04/15

そして朝の


 
 
 そろそろ起きる時間も近い。

 時々こんな頃合いで、イチ子が、ぼくの好きな『スウィス日記』の一節を、まるで聖書を読むかのように抑えた声で読み上げてくれる。今朝は『シュタールエック』の部分だろうか。

『御茶がすむと、表に出て、口笛なんか吹きながら、岩の上を歩き廻る。をりをり霧が絶えると、南に高くアガシホルンと、その後ろに、フィンシュテラールホルンが現はれる。裏のグロース・シュレックホルンの方面は、いつまでも霧におほはれて、その下に牙のように口をあいた、シュレック・フィルンのクレヴァースが、透明な緑を含んで、なんとも言えない気もちがする。明日私達が登のは、この氷河のふちを登るのだが、どう行ったらいいのか、まるで見当が...』

 イチ子は、ぼくが目をつぶって聞いているのを知っている。
 やがて、
「そろそろ起きないと...」と声をかけてくれるはず。
 それまでに、あともう一頁読んでもらえると嬉しいのだが...。



【Dara Maclean / For Once In My Life】

 

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