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seiseki squareSSRブログ

2018/05/08

立原正秋を偲ぶ酒


 
 
 『三千盛(みちさかり)』は、いわく付きの酒で、詳しく説明すると長くなります。なるべく短く書こうというのがこのブログの趣旨なので、まったく不適合な題材ですが頑張ります。不明なところはWiki.などで補完願います。

 さて、悔しいけれど昭和20年に戦争に負けたあと、何もかもボロボロの日本は酒も不自由の極み。酒のもとになる米を作るお百姓さんも戦地に行っているもので、そもそも酒米がない。酒蔵には蔵人が居ない。そこで少ない生産量を補うためにいろいろな工夫が為されます。業界の指針『菊正宗』が、少ない原酒に仕込み水と醸造用アルコールと水飴を混ぜて生産量を増やすと、日本中の酒蔵が右に習え。飲めば酔える、酒の香りのする砂糖水が日本中に出まわります。酔えればいい人はそれでもいいのでしょうが、そうはいかない人達もいました。
 戦後、比較的早く収入のよくなった業種文筆業・小説家達。その中のひとりが、あるところに一文を掲載します。岐阜の多治見・笠原に『三千盛』という昔のままの地酒があると...。当時、多治見から東京に酒を何ケースも取り寄せるなど一般人の経済では難しいところを小説家達は実行します。これをまた、当時人気流行作家の立原正秋がエッセーで煽ります。日本酒度+16は、当時の他の日本酒の追随を許さない辛口。料理の味を損なわず、引き立てる酒です。その後、『三千盛』は、江戸前寿司、割烹等、料理が主役の飲食店に次々に採用されていきます。

 せいせき界隈では、以前は『旭鮨桜ヶ丘本館(山の店)』が採用していました。休日などなかなか席の取れない店なので、最近もまだ採用が続いているかどうかは未確認。他には、府中の老舗鮨店『三松本店』が数十年にわたり採用しております。八王子の『割烹 渡邊』も、この間伺ったときにはラインナップに加えておりました。

 嫁いで浅草住まいの娘から、旦那の誕生日に『新政No.6』か『十四代』をプレゼントしたいので、多摩市から日本全国に名を馳せる『小山酒店』へ行って買ってきてくれないかと『かぐや姫』にも等しい難題。ダメ元で行ってみたら、予想に違わず駄目。でも手ぶらで帰るのは寂しいので、自分用に『三千盛 本醸』を一本購入。立原正秋の大好きだった銘柄で、立原を偲ぼうと思ったのでした。


『旭鮨桜ヶ丘本館』(桜ヶ丘南口商店会)
http://seiseki-s.com/htm/shop/detail.asp?id=m037



【Orchestra at Temple Square / Theme from The Magnificent Seven(映画『荒野の七人』のテーマ)】

 

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